私たちは既にAIに侵略されている?ネットやSNSで自分の興味のある内容ばかり出てくるのはなぜ?
みなさんはネットやSNSを利用していると、自分が最近調べた商品や、興味のあるジャンルの記事ばかりが表示されると思いませんか?
現在のインターネットやSNSには、ユーザーに最適化された記事や広告が表示される仕組みがある
あなたの検索傾向は検索エンジンやSNSによって、集計されユーザーに最適化された『興味カテゴリー』として保存されています。
あなたが服をたくさん検索すれば『ファッション好き』として、あなたが車をたくさん検索すれば『乗り物好き』として登録されるわけです。
そして、企業が広告出す時、その広告にもカテゴリーが設定され、あなたの興味カテゴリーに一致する広告が表示されるというわけです。
かつてダイレクトメールやメルマガを、とにかく多くのユーザーの目に触れさせるために、ばらまきしていた時代がありました。現在でも、新聞折込は『誰に配るか』を細かく選べませんよね?
これは広告費の無駄撃ちなんですね。
広告を出す立場としては、可能性の高いユーザーにだけ広告を見てもらって、無駄撃ちは避けたいわけです。
ユーザー側としても、自身に関係のない広告がたくさん出てくるようだと、機械的に広告をキャンセルするようになり、内容に全く目を向けなくなってしまいます。
そのため、現在のネット広告ではユーザーをターゲティングするようになっています。
もしあなたが広報担当なら、より興味を引く広告を打つのも良いですけど、関係ない人への広告配信をカットするのも同じくらいの熱量で行ってください。
知らない間に情報視野が狭くなってしまう『フィルターバブル』
さて、このユーザーのターゲティングなどによって発生するのが『フィルターバブル』という現象です。
これはユーザーそれぞれにパーソナライズされた情報が集まることで、知らず知らずのうちに自身の考えに近い情報ばかりが表示されるようになり、偏った情報ばかりが入ってきてしまうという現象です。
フィルターバブルの問題点として、情報が自身の考えてに近い物ばかりで、否定的な意見や全く違ったジャンルの情報などが入ってこなくなり、考え方などが徐々に偏っていってしまうという問題があります。
情報がフィルターされている状態に陥ります。
本人が意識してフィルターの中に入っているわけではないので、その状態に気づきにくいんですね。
自分自身と似た意見の人たちが集まることで、意見が増強される『エコーチェンバー現象』
上記のように、広告がパーソナライズされることもそうですが、SNSでもハッシュタグなどで、興味ジャンルが近い人たちで集まってしまう傾向があります。
そこで発生するのが『エコーチェンバー現象』です。
エコーというのは音が跳ね返ってくるものですが、同じ考え方の人たちが集まることで、『そうだ!そうだ!』と周りの同意を得やすくなります。それが『いいね』でもあるわけですね。
そうすると「周りの人から支持されているから、私の考えは間違っていないのだろう」と考えて、意見がより強くなるわけですね。
よくある例が、SNSで会社の悪口を言うと「いいね」がすごく集まったり、コメントに同調するような意見が書き込まれ、「自分の働く会社のやり方が間違っている」と思い込み、いざ転職すると、もっと酷い環境になって「前の会社の方がマシだったな」と後になって後悔するとかですね。
まとめ
AIの進化により、仕事が無くなるとか、人類を滅ぼすなどの陰謀論が囁かれますが、既に私たちは情報サービスによって思考の誘導を受けているのかもしれません。
例え興味が無くても、たまには図書館に足を運んで、いろんな人や情報を取り入れていく必要があるのでしょうね。
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